女王と海賊 茅田砂胡

 あー、ダメなんだ。こういう英雄譚には勝てないのだ。最強の女王と海賊だぞ。力と財力と美貌と運、すべてを手にしている最強の二人がどんなに危機に瀕したって負けるわけがないのだ。スカーレット・ウィザードのエンディングは無茶苦茶不満だったが。まあ、いいや。
 これは、カタルシスなのだ。水戸黄門ともいう。予定調和だろうがご都合主義だろうが、読み終わってニヤニヤ出来ている本はそれだけで価値があると言うものだ。いやあ、少年の日のようにあこがれるなぁ。