復活の地 小川一水

復活の地〈3〉 (ハヤカワ文庫JA)
はうう、お約束の3巻が出てしまった。広げまくった大風呂敷をたたんでたたんで、広げなおしてたたんでぐるぐる巻きにしてがっちり縛った、と表現すればいいだろうか。いや、表現する術は素人の俺にはない。
本当に3巻で完結できるのかよ!という杞憂は477Pレイアウトいっぱいを使い切った、多分イラストを入れるにもかなりの努力が要ったんじゃないかという、豪腕編集にも脱帽。昔の青背に比べりゃ甘いといわれるかもしれないが、充分に読み応えがあると言っていいだろう。加えて、読み続けさせるだけのストーリテリングの才も磨きがかかってきたと言っていいかもしれない。
まあ、なにしろタイミング的にはテレビなら「自粛」の文字が躍りかねないほどの発売だったわけで、ここ数日の被災地の状況を伝え聞くに及んでの複雑な思いも。まあ、偶然の産物は頬って置こう。今回の地震での出来事も次の災害には役に立つだろう。
甘いという人もいるかもしれないが、やっぱり小川一水の将来には期待したい。願わくば、毛ちょっと辛抱強さを手に入れてくれると・・・まあ、年月とともに得る物もあるだろうしね。

さて、次が楽しみだ。