欺瞞

その人が本当に死んでいるなら、うそをつく必要はない。拉致によって連れ去ったことを認めつつも、本人の遺骨といいながら他人のものを渡す、政府関係者から違う死因が知らされる。まるで彼女が死んだかのように情報操作をしているとしか思えない。残念ながら本当に亡くなっているなら、本物の遺骨を出すでも良いし、失われてしまったと言い張ってもいい。なぜ、嘘をつくのか。
それは彼女が生きながらえているが、それを知られたくないからではないか。横田夫妻にとっては朗報の証なのだ。
小説なら、めぐみさん自身が北朝鮮内でそれなりの地位になってしまい、名乗り出ることが出来ないが、このあからさまな欺瞞を行うことで自らが生存していることを伝えようとしている、なんて物悲しいことになるんだけど。現実はどうなんだろう。

日本人は想像力をなくしてしまった。自分の子供が北朝鮮なんぞに拉致されてしまったらと思わないのだろうか。30年だ。
一日も早い解決を全ての政治家や官僚、マスコミが本当に望んでいるなら、解決しないはずはない。国内でのさまざまな欺瞞がそれを妨げているように思えてならない。