天涯の砦 小川一水 

近所の書店で発見できなかったので、Amazonで注文。土曜の夜発注して月曜に手に入るとは、いい世の中だ。惑星間になったら、難しいだろうな。いやいや。
読んだ。読みきった。明日の出張のときに読もうと思ってたのに、読んでしまった。まあ、日本SF界はすごい作家を得ようとしている。いや、得ているのか。見事な舞台設定と描写。数作前に感じられた、「見てきたものの」描写のくどさがいい具合にこなれて、精緻な描写に昇華している。まあ、若干専門家にありがちな説明臭さは否定しないが、それが彼の特徴としてみれば、若いとがったモルトが年月と共に熟して行くと共に際立つフレーバーと言えよう。萌えの世界に入り込んで商業主義に媚びているSFだかライトノベルの惨状を見るに、このあくまでもハード「ガテン」路線を貫く小川一水に拍手を贈ろう。てか、読め。