思いやり。

 昔、思いやり補助金とか言って全国に金をばら撒いたバカな為政者がいたが、それではない。
 前述のサッカーにて、スタンドで観戦したのだが、それほど満席になるほどでもなかったので自分の前の列が空席になっていた。スタンドだから、列と列の間は階段状になっているのだが、いくらなんでも前の列に立たれたら、見えない。
 幼稚園の時期と言うと、一人目の子供だとかなり熱くなっちゃう親が多い。人数が増え、歳を経るごとにだんだんめんどくさくなっていくんだけど。そうすると、人の迷惑顧みず、自分の子供の姿を追い求めてどこまでもminiDVカムを片手に入り込んでいく親がわさわさといる。人の席の前に入り込み、最前列で堂々と立ち、後ろの人が見えようが見えまいが関係ない。彼らの世界はDVカムの2インチに満たないモニターの中にしかないのだ。最低限の礼儀とか、思いやりなんてそこに入る余地はない。
 そう、礼儀なのだ。フルスタンディングのコンサートじゃないんだから、座って見たい人だっている。自分がそこにいると後ろの人はどうなるのか、ちょっと振り返ってみればいい。とげとげしい視線が刺さっているはずだから。
 さすがに頭にきたので「てめえのケツを見たくてここに座ってるわけじゃねえぞ。」と言う意味のことをごく丁寧に申し伝えると、はっとした顔でどいてくれましたけどね。何事も中庸を得ることが大事だと思うんだが。こっちだって、少しは我慢するんだしさ。