異種格闘せん

幻滅以下というか、そこまで番組を引っ張るテレビ局と興業主のあざとさを見せ付けられただけで、カタルシスも何もないばかげた騒ぎ。興味本位で見たけど、なにか悲しくなるほどのありさま。登場してきたときには既に汗まみれでスタミナが残っているのかと勘ぐっちゃうぐらいの状況と、対戦者が登場したときに見せたはっとしたおびえたような表情は少なくとも土俵上では見られなかった。絞ったとはいえ、電子雲のように体にまとわりつく脂肪と、アンバランスな足の細さ。それに対してのしばらくぶりに見た野獣というニックネームに恥じない体の作りこみ方はなかなか只者ではないと感じさせた。
試合というか、対戦はライオンが太ったウサギと遊んでいたら力余って殺しちゃったというぐらいのあっけなさ。ヒットしちゃったほうも、ダウンしている対戦者を心配そうに覗き込みに行こうとしていたのが印象的だった。そんなことはねぇ?奴はそのぐらい冷静に見えたぞ。セコンドが引き止めてたけどね。
少しは張り手とかツッパリとかの打撃に対する打たれ強さみたいなのも出してくれて、結局脚を攻撃されて判定とか、ドクターストップぐらいかと思っていたら、そこまでもたどり着かなかった情けなさ。本当に勝てると思っていたのか、巨額のファイトマネーとテレビや興業主の口車に踊らされたのか、安定した将来をかなぐり捨ててまで走った挙句にしては何か物悲しい。なにより、そんな姿を見せられた家族をいつまでも追うカメラにも見ているこちらも嫌悪したりして。
ヴァーチャファイターでも鷹富士はいなかったことになってるし、このままだとやっぱり格闘技ではなく伝統芸能として生き残っていくしかないのか大相撲。ここは、ナベツネがよっしゃとどこかの球団みたいに大型補強だとかで読売部屋でも作ってあれとかこれを入門させて強い部屋を作るとかしないと駄目なんじゃん?もっとも、あれとかこれってどれって言われてもわからないけどな。