伝えること2

技術要素をわかりやすく素人に伝えて理解してもらうこと。これはとても難しい。専門用語を並べて煙に巻いてしまうのはとても簡単なんだが。(笑)
今回の編集委員氏の「プロの目」と謳ったはずのコラムがプロとしては恥ずかしい錯誤と無理解に満ち溢れていたのは残念なことだ。もちろん、JAXAの組織としての広報がまだまだ足りないのは踏まえてのことだが、はやぶさに関してはかなり情報開示されていたように感じるからこそ、科学を報じてきた人のこんな文章には失望する。先にも述べたが、サンプルリターンを主目的としているにしても、「科学の失敗に寛容である社会」をつくりたいなら、その文章内で、はやぶさの置かれている状況を細かく分析し、これは失敗しているがこれは成功している。失敗については対策が打ち出されて次の探査機に取り入れる構想中などという詳細な評価をするべきなのだ。失敗を成功と取り繕っているなんていう大雑把な見方こそが失敗に寛容でない風潮そのものだということに気がつかないのだろうか。
自分が報道のプロと自認し、表題に掲げるならもっとプロらしく正しい評価をしてほしい。JAXAがどんなにがんばっても報道機関がミスリードをしてはどうしようもないのだ。編集委員氏は科学の発展を望んでいるし、むしろ、宇宙開発の先行きを危惧している姿勢なんだと思われるが、一発でも誤爆誤爆。せっかくいい流れのところに水をかけるような評論は本当に宇宙開発の成長に必要だと考えているのか聞いてみたいもんだ。